フェザータッチ・オペレーション 全巻収録版

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フェザータッチ・オペレーション 全巻収録版

フェザータッチ・オペレーション 全巻収録版内容

人型女性アンドロイドと同居することになったある男子大学生の物語!(全2巻を収録)大学生になったばかりの刈谷慎平は、遠い親戚・財部(たからべ)健三から孫娘・早紀(16)を預かってくれと手紙で頼まれた。渋々預かった慎平だったが、早紀が異様であることに気づく。計算や歴史の知識はスーパーコンピューター並みだが、感情は小さな子供と同じ。さらに早紀は謎の黒いバッグを手放そうとしなかった。そして、事件が起こった。財部健三の研究成果を狙う組織が黒いバッグを盗んだのだ。その瞬間から早紀は動かなくなってしまう。意を決し、財部健三の住居を訪ね、早紀が完全な女性として作られたアンドロイドであることを知る。そして、早紀の本体であるスーパーコンピューターを組織が狙っていることも知ってしまう。果たして、慎平の生活は…!? そして、早紀の将来はどうなるのか?<目次>第1巻・OPERATION1「フェザータッチオペレーション」・OPERATION2「かぜひきコンピュータ」・OPERATION3「ロングディスタンス」・OPERATION4「ネリマ・サーファー」・OPERATION5「アキュート・アングル(1)」・OPERATION6「アキュート・アングル(2)」・OPERATION7「アキュート・アングル(3)」・OPERATION8「ヒロイック・ファンタジー<前編>」・OPERATION9「ヒロイック・ファンタジー<後編>」<目次>第2巻・OPERATION10「雪の夜」・OPERATION11「四畳半 お袋の下心」・OPERATION12「春の椿事」・OPERATION13「雨のファンタジー」・OPERATION14「あぶないHOLIDAY(PART I)」・OPERATION15「あぶないHOLIDAY(PART II)」・OPERATION16「あぶないHOLIDAY(PART III)」・OPERATION17「あぶないHOLIDAY(PART IV)」・OPERATION18「THE LAST OPERATION1」【完結】初出:ウィングス(新書館)1982年1号、1983年4号、1984年10号、14号、17号、1985年21号、23号、1986年38号、41号、ウィングス1986年33号、1987年46号、48号、50号、1988年55、57、58,59号、65号

フェザータッチ・オペレーション 全巻収録版口コミレビュー

…知らない作品ですが55円で全巻収録とあるので買ってみました。作品について調べてみると、本作は82年に連載開始された漫画で、作者はすでに漫画家を引退しているとのこと。リアルタイムでは知らん80年代の漫画、ことにラブコメというジャンルをあとから読むと、登場する若者が兎に角軽薄な連中なので「この時代に青春過ごして無くてよかったあ~」としみじみ思うものです。この時代の理想のヒロインと言われる音無響子さんも奥ゆかしい女性なのかなあと思ってたら実際に読んでみるとだいぶあっけらかんとした性格で、連載初期にて酔った勢いでヤッてしまおうとする五代に身を任せてしまおうとするので驚きました。最終回のお墓のやりとりくらいしか知らんかったので…。というわけで本作ですが、主人公の青年のもとに16歳の少女がやってきて同居するという、所謂押しかけ女房ものです。彼女は13歳のときに事故で植物状態となり、回復は絶望的となったので祖父にあたる科学者が彼女の頭に人工知能を植え付けた、教育半ばでこの世を去ることになったという設定が御座いまして、主人公が代わりに彼女の世話と教育係とこの人工知能を狙う企業の追手から護衛を務める、というような話です。とはいうものの、第1話の扉ページで何の必然性もなさげにヒロインが下着姿になっているので、上のような真面目っぽい設定そっちのけのお色気同居もののような気配も御座いますが、読んでみると漫画はエロなどほぼ無しで真面目な方にストーリーが進んでいきます。主人公の大学生、健三が一人暮らししてたアパートにやってくるヒロイン、早紀は16歳なのですが、上のような設定から精神年齢は幼い子どものようです。オッサンである自分の知ってるカルチャーから似てるケースを挙げると、FF4でエッジがリディアに恋するのってヤバくねえか、という話がありますが、健三は中身が子どもなら決して手を出してはならぬと彼女の体にムラっときても必死で自制するのです。彼女の下着姿をみた次のコマではトイレに籠もっていますが、なにをしているのかは言うまでもありません。きちんと性欲を持ちつつも、自制する、という段取りが描かれているのです。女子高生を拾っても性欲なんて湧きませんと綺麗事をのたまっている作品と比べても倫理的バランス感覚がはるかに真っ当であると言えましょう。ちなみに健三の母親は彼女の祖父の遺産目当てで早紀をものにしろと息子に言うので、ある程度大人と十代の少女の同居という部分に理屈というか漫画の嘘が出来上がっているあたりも上手い。早紀の祖父は教育費迷惑料諸々含めて1000万という大金を預けておりますが健三はそれには手をつけません。アルバイトで生活費を稼ぎます。「あれはお前の祖父が残した遺産なんだから軽々しく手をつけてはいけない、自分も学費は親のすねをかじってるから大きな事は言えないがせめて生活費や遊びの金くらいは自分で稼がないといけない、将来の目標もなく漫然と学校に通ってるような学生ならそれくらいは当然だ」…上で80年代は軽薄だと書きましたが、なんて真面目な男なんだ…。これは作者の倫理観なんでしょう。バブル景気前夜とは言え…。世代で類型化して偏見で語っちゃいけませんね。早紀の頭にある人工知能はNOVA7000という名前ですがその本体が国内にあり、彼女の頭にある小型頭脳とペアになるセパレート型、この本体から物理的距離が遠ざかると小型頭脳のほうが動かなくなるので商店街のくじでグアム旅行に当選しても海外へ行くのは不可能、ということで彼女は存在自体が檻に閉じ込められて束縛されてるようなもんです。そんな可哀想な身の上を知っていても、彼女に知られないように真面目に事態の解決へ努力を続けているのに全く邪気のない早紀の天真爛漫さを無思慮な能天気と拒絶しそうになったりなど凄く真面目な話です。それから、早紀の小型頭脳と本体を経由する「箱」が入った黒いバッグを彼女は肌身離さず持っているのですが、それを近所の人から「ダサい」と言われた早紀がショックを受けたのをみつつ健三、早紀の祖父に「あんたは技術屋として優れてるけど本当に人の心を理解してたのかは疑問だ、あんたはどんな重荷を彼女に背負わせたかなんて考えもしなかっただろう、年頃の女の子があんな不細工な箱を持ってなきゃいけないのは苦痛だぜ、その理由を知るためには自分が人間でないと知らなきゃいけないんだ…」…「年頃の女の子にダサいバッグを常に持たせること」というどうでも良さげな部分から彼女の祖父の思慮のなさに思いを巡らせる…なんて真面目な男なんだ、健三…というかこの時代にこれを描く作者…。でも途中で別の女性が登場し、彼女といい感じになるとそこは男としての感情が湧いて早紀を蔑ろにしつつ彼女とのデートを優先し…なんて話もあり、あくまでも聖人君子としては描かないという配慮も在ります。なんというバランス感覚…。これぞエンタメ作家の在るべき姿、と言いたくなります。第8話ではツツミランドという「ハイテク遊園地」にいくのですが此処でやるのがファンタジーゲームの世界に数十人が同時に入り参加者が相互に関わるというMMORPGと、ゲーム中での体験が感覚として現実にフィードバックする(ゲーム中で飯を食うと味覚を感じるなど)というVRをかけ合わせたよーなモンなので、ゲームの歴史にはあんま詳しくないけど、80年代でもこんな設定描けるのか、と感心し、連載から40年近く経った今読んでもそんなにふるさを感じないなどディテールも結構凝っています。更に特筆すべきなのはこのゲームの世界に早紀を救うべく健三が入り込む際には、諸事情でゲーム世界に併せて剣を使えたり馬にも乗れない無能力の一般人として放り込まれ、ロバにも鼻でせせら笑われるという有様。「それはまさしく無知で非力な現代人のカリカチュア、苦心さんたん必死の追跡行は本人がマジで必死であればあるほどギャグになる」(p204より引用)…そんな無様な健三と対比的にファンタジー世界の万能イケメン王子様を出しつつ、彼に「やはり彼だけがきみのナイトってわけだ…」と言わすのであった…異世界なろう作家に聞かせてやりたいような気もしますが、異世界ものの問題はまた別のほうにあるのでそう単純に批判すりゃいいってもんでもないのが難しいもんです。此処までの記述はストーリーの本筋にあまり触れてませんが、NOVA7000と早紀の関係、彼女をめぐる企業との対決、結末部分も含め、話の風呂敷は綺麗に畳まれつつもご都合主義になり過ぎず、「なんやかんやシリアスぶっても結局は精神年齢幼女の十代女子とくっつく男の妄想エンドでしょ?」という冒頭から抱く疑問にも絶妙なバランス感を持つ落とし所が用意されており、なんていうか、昔の作家ってちゃんとしてるんだなあ…今じゃ家出少女を拾うだもんなあ…と言いそうになりますが、上でちらっと触れた異世界ものの問題は安易なご都合主義とは別の部分にあるというのと同様にこれも別の問題が在ると思われるのですがそのへんを語ると本作の話から逸れるのでひとことで言うとこの漫画が連載されていた80年代に比べて今の日本が夢も希望もありゃしない国になってしまってるというあたりが問題の本質なので、責任を作家や読者に求めるのは早計であろうと思います。1円で買って読んでも「金の損失は返ってくるが時間の損失は決して返ってこないんだよなあァーッ」とムカつく漫画が存在する中、竹宮恵子の「地球へ…」電子版全3巻を計33円で購入したときと同様の、「こんな面白い漫画を55円で買ってなんか申し訳ないな…」という気持ちが久々に湧きました。読ませていただいて有難うございました。

面白かった。

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