3月のライオン 15 (ヤングアニマルコミックス)
3月のライオン 15 (ヤングアニマルコミックス)内容
ひなたの待つ駒橋高校の文化祭にぎりぎりで間に合った零。後夜祭のファイヤーパーティーの中で、ついに零からひなたへある思いが伝えられる。出会ってからの日々や思い出が心に浮かんでは消える時間。そこでふたりの間を行き交う思いは――。一方、棋戦シーズンも真っ盛りを迎える。「天才」に異様な嫉妬を燃やす「元天才」の中堅棋士、重厚な棋風に経験という厚みを加えたベテラン棋士、対局するは一筋縄ではいかない相手ばかり。盤を挟んだ相手との静かなる対話を通して、己自身とも向き合う零。振り返るこれまでの道のり、そして感じる成長とは…。「羽海野チカの世界展」の来場者特典で配布した幻の「13.1巻」に収録された「あかりの銀座物語」も収録!銀座に集う人たちが紡ぐあたたかい物語です。
3月のライオン 15 (ヤングアニマルコミックス)口コミレビュー
本巻は対局相手の身の上話、その師匠との対局と身の上話、桐山くんのいつもの苦悩、時々作者特有の茶番で構成されてます。最初の頃のから追ってるコミックですがそろそろこの辺で脱落してしまいそうです。毎回相手の悲し目な身の上の同情を誘う流れから相手が叩き潰すのワンパターン。自分語りが非常に多く読むのが疲れる。こんな内容なのに9割星5評価とは自分はもはや古い人間なんだなと気づかせてくれる。自分が他の多くの読者の感覚とかけ離れている、感受性が終わっていると気付かせてくれる点で素晴らしいと感じた。でも、個人的にはもう読むのも苦痛です。
泣きました。胸に迫りくるものがありました。ライオンはずっと読んできましたが、初期の頃のような熱と闇と光と血潮の叫びが聞こえて来るような1冊でした。良くも悪くも、作品というのは造り手の”その時”や感情・感傷がダイレクトに濃く出るものなのでしょうね。(ネタバレにならないよう詳細は控えます)零が自己の深淵に向き合う姿、それを見守り助ける大人たち。零、安心して”子供”でいていいんだよと囁きかけるような温もりを感じました。そして田中棋士のファンになった私です。また、先崎先生がご回復され、将棋の描写も復活です。よかった!コラムもとても面白く為になりました。
この作品は、ウミノ先生の私小説なのだと改めて思います。周囲を愛し、愛され、丁寧に生活をしながら、一方でプロとして鬼気迫るギリギリまで突き詰める作業を続けていく。それは狂気にも似た作業です。優しさと狂気のバランスが崩れそうになる。プロとして生きるということはそういう恐怖との戦いだと思っています。零くんが垣間見ている深淵とは、そういうもの。そして、それはウミノ先生ご自身が見ているものなのではないでしょうか。私も(分野は違いますが)プロとして生活しています。ですが、自分がここまで突き詰め切れているか、少し恥ずかしくなります。現実の生活に引っ張られます。自分自身で「それは別の将棋」を想像してしまったりもします。それでも、そこからの進化の可能性を、田中7段を通じて書いて下さった。もしかしたらこれは、最近苦しい時間を過ごされたウミノ先生ご自身の祈りであり、静かな決意であるのかな、とも感じました。私にとっては救いになりました。ありがとうございました、お疲れ様でした。
主人公のお話を進めてほしい。一人の深堀りはこれからお話に関わるの?大河ドラマ?何年かけて完結するの?
本編の内容は相変わらず素晴らしい内容だったよ。この期に及んでモブみたいな新キャラ出してきたしお前誰だよってモブだったけど。そのモブなりの心情の描写とかも、持ってると思ってた者が持たざる者だと知った後の葛藤、みたいな足掻いてる描写、大好物なので。しかしながら、本編以外の部分がね。飼い猫ブンちゃんの最期を看取った心境を漫画にして表現してたんだけどね。それが巻末おまけで報告漫画描いてるなら、なんとも思わなかったんだけどね。日頃からブンちゃんブンちゃん言ってたし、それだけ心のよりどころにしてた猫が逝ったのならそれはご愁傷様とも思うんだけどね。しかしながら、話と話の区切りの空白頁にまでそれを盛り込んでくるのは、どうなのかなって。好みの問題なんだろうけど。本編と全然関係ないコマがいきなりあって(あれ?)と思って次の区切りの空白頁にまた、さっきのコマの続きが描いてあって更に次の空白頁にまた書いてあってああ、飼い猫が亡くなったのか、と流石に誰もが気づくんだけど。だけど、そのサブリミナル効果みたいなコマ、要る?作者がとても悲しい気持ちはそこそこに分かる。だけどその悲しい気持ちを読者に共感させようとするのは、どうなのかなって。まあ、作者の作品なのだから頁をどう使おうが作者の自由なんだけども。だけど読者、少なくとも私は3月のライオンの続きを読みたいだけなんだよ。
何故か涙が出ます。れいちゃん、今まで本当に頑張ったんだねこの一言に尽きますね。もがきながら苦しみながら、それでも大切なものを一つづつ見つけていって、いつの間にか守りたいものが沢山できていて。それらを大切にしながらも、そのどれもを維持し続けることの大変さ、みんな誰しもが身に覚えがあるんじゃないでしょうか。最初の頃の何も持っていなかった桐山くんを思い出すと、本当に感慨深いです。羽海野先生の真骨頂は、登場人物の成長を描くことがとっても上手いと思うんですが、それは、普通の漫画みたいになにか大きな出来事があってまたひとつ成長した。じゃないんですよね、毎日一つ一つの出来事が日々成長に結びつく、何気ない日常を過ごしていても人って成長してるんだ、大切なものを築き上げることができるんだって。いつのまにかここまで成長してたんだって気づかせてくれます。そこがすごく自然で、心が暖かくなるんです。次々に新しいキャラが出てきて、しかもその一人一人に濃い設定が(笑)しかもみんな人間じみてて、かっこよくて弱くて、、なんか本当に凄いですよね。これからの展開がどうなるかわかりませんが、ひとまず、香子も当分でてないし、その弟が今後一悶着ありそうな気がするけど、どうか、みんな幸せになって欲しいなって思いますね。発行タイミングがとにかく亀ですが、羽海野先生も色々あったんですね、、体に気をつけられて、ぜひ早く完結してください(笑)