娘の友達(1) (コミックDAYSコミックス)
娘の友達(1) (コミックDAYSコミックス)内容
家庭では「父親」として、会社では「係長」として、「理想的な自分」を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である美少女・古都との出会いにより、彼の人生は180度変化する。社会的には「決して抱いてはいけない感情」に支配されながらも、古都の前では自己を開放でき、社会の中で疲弊した心は癒やされていく……。「社会」のために「自己」を殺す現代社会へ鋭く切り込む、背徳のサスペンスが幕を開ける。
娘の友達(1) (コミックDAYSコミックス)口コミレビュー
なんか他レビューとか読んでいたら、「疲れたおっさんがJKに癒される系」かと思った。バブみが高いJKに対してオギャる作品かと思ったんだ…。ほっこり癒し系かと。うん、ちょっと違うね。妻は他界、それが原因で娘は不登校、家庭崩壊、教師からも責められ、職場では上司からも部下からも同僚からもストレスを受け、鬱による吐き気とめまいに悩む主人公。ある日お気に入りのカフェで出会った美少女は「娘の友達」だった。というストーリー。彼女は異様なまでに色気を放ち、疲れた主人公に「よしよし」みたいに頭なでなで。疲れたあなたの力になりたいと訴えるが…一回りも年下の若々しい身体に、あふれる母性と色気にあてられ、何もかも捨てて胸にうずまりたい衝動と、社会的地位や実の娘を守らねばという理性とのせめぎあい。「社会」のために「自己」を殺すか「自己」のために社会的に死ぬか。背徳的な甘い蜜に負けて「ばぶぅ、疲れちゃったでちゅぅ」となった瞬間、社会的な死が待っている。そんなハラハラとエロいドキドキのせいで落ち着かない作品。ある意味ヒロインは悪魔的。
予備知識一切なしに表紙絵買いして、まさに噴きました。「思ってたのと違う」感が凄い衝撃作です。悪女とかそんな可愛いもんじゃない、悪魔が師事を請いそうなくらい悪魔的ヒロインが出てきます。絵は少々安定感を欠きますが癒やし系でホンワカしており、タレ目狸顔のヒロインに大変マッチしています。マッチしているので余計怖くなっています。主人公、市川晃介は高校生の娘がいるおじさんです。同期トップランナーの出世頭ですが1年前に妻を亡くし(1巻時点では死因は語られていません)て、それまで進学校に通い明るく優秀だった娘・美也は引きこもり不登校に。それにもめげず料理が得意ではないのに食べて貰えない食事を娘の復帰を信じて毎日作りながら仕事も頑張り成果を出す。なのに娘からも職場でも好き勝手な文句を言われっぱなしで、誰一人として彼が必死で歯を食いしばりいっぱいっぱいまで頑張っていることを認めてくれません。うわべは平静を装ってもストレスで目眩を感じ嘔吐するシーンがあるほど実はメンタル崩壊寸前です。そのためか、ひとつひとつは僅かな判断の狂いがいくつも積み重なってとんでもない方向に人生が転がって行きます。本作では人間離れした蠱惑的ヒロイン、古都を創造します。娘の美也と小学校の同級生でもある高校生ですが主人公はそのことを古都から言われるまですっかり忘れており、出会った(実は再会)のは彼が唯一くつろげる隠れ家のいきつけ喫茶店にいつもと変わらず訪れたところ見慣れぬ可愛い新入店員としてでした。彼女が娘の同級生であること、小学校当時に美也・晃介と3人一緒に映画を見に行った事もあること、喫茶店のおじいさん店主が古都の祖父で古都は祖父の店を手伝いにきていた健気な孫であることが読み進めると分かります。いくつかのきっかけはあるにせよ、ヒロイン古都がここまで晃介に肩入れし一方的に好意を持つ理由がまるで見えません。どうやら彼女が進学校の中でも相当な優等生であり、しかし優等生な自分を演じるのに疲れているようなことが匂わされるだけで、ストーリー進行がゆっくり(好意的に書けば丁寧)なため肝心なところで何を考えているのかが今のところ全く分からずパーソナリティが見えないダークマターな存在です。本作はそこが強烈に怖いサイコホラーです。読者だけでなく晃介にも古都が考えていることが分かりませんので晃介は古都がグイグイ来ることに焦ったり怯えたりしますが、古都はそれをまったく意に介さずグイグイきます。グイグイ来ることで恐怖感が加速します。晃介は、酒の勢いで不倫してしまったと語る同期に何をやってるんだと諫めたせいで「お前なら分かってくれると思ったのに」と仲が険悪になったくらい“カタい”人間であり、娘と同級生の女子高校生から迫られてホイホイ嬉しがるような暢気な思考回路は備えていないので、これ本当に怖いでしょうね。古都が何を考えてるか分からないから。フランス語でシレッと書いてあって、しかし実はご丁寧に何度もしつこく出てくる副題L’un des grands secrets d’une femme fatale.がバリバリの伏線にしか見えません。この文章の意味が、主題「娘の友達」とかけ離れているからです。日本語に訳すと「ファム・ファタールの大きな1つの秘密」です。「ファム・ファタール」は、日本語に適当な単語が存在しないのですが「運命で結ばれた女(ただし男を破滅させる)」という、フランスではわりと古くからあり幾度も文学や詩の主題になってきた定番の概念です。男を意図して潰そうとするわけではなく本人たちは運命の相手として相思相愛なのだけど避けられぬ破滅を導いてしまう運命の女性、そんな意味合いです。「1つの大きな秘密」とは?これから明かされるのでしょう。1巻では両者はキスしかしません。が、これが上策であったと思います。正直、これ以上エスカレートしたなら「なんだ、ありきたりのテンプレ展開か」で興ざめしますし、それどころかキスしたことも余計だったのではないかと思うくらいです。何もしないほうがむしろ古都の底知れなさと、おじさん主人公である晃介の「今まで維持してきたワクから出られない悲哀」を出せて良かったと。じっさいこのキスも晃介の不意を突いて古都から行いますが、あとで「初めてだったんです」と言い出して晃介も読者も驚かせます。なんと恐ろしい子でしょう。まだ始まったばかりのお話かつ進行は大変スローテンポなので今後は未知数ですが、この先「実は美也を不登校に追い込んだのが古都である」「妻の死因に実は古都が関わっている」ような更なるホラー展開でたたみかけて来ないことを祈っております。
簡単に説明しますと、家庭や仕事のあれこれに疲弊したお父さんが娘の友人だという、頭撫でてくれたり何故か甘やかしてくれる女の子に癒やしを求めて次第にその関係に嵌っていく、みたいな話です。このように書くとエッチシーンがありそうですが、ありません。今の所せいぜいキスくらいです。今の所、と書いたのは話の進行が遅く、この1巻で余りストーリーが進まないからです。それから、お父さんを取り巻く人間関係のウザさをじっくり描くなど全体的に辛気臭い話で、何やら思惑有りげな少女との関係を含むこの先の展開にも不穏な空気を漂わせているので、最近ありがちな疲れた男が可愛い女の子に癒やされて幸せ~みたいなノリは期待しないほうが良さそうです。重要な女の子の作画は中年の妄想の具現化感は及第といったところです。一方で若い読者には余り魅力的に思えないかもしれません。表紙と本編の印象が若干違うように思えるので実際に”なか見検索”で確認したほうがいいでしょう。私は本作を読んで藤子不二雄Aの「笑ゥせえるすまん」を思い出しました。人生に疲れたおじさんに喪黒福造が「ホーッホッホッホ、あなたにいい所を紹介しますよ」とか言って近寄ってきて、最後は「約束破りましたね、ドーン!」つって身の破滅とそれの裏返しな精神の開放を得て終わり。この漫画ってそれと似たような事を物凄く引き延ばして描いているようなものだという気がするんですが違いますかね?違ったらゴメンナサイ。
表紙の女の子の絵がとにかく魅力的で、サンプルページの試し読みもいい感じだったので購入。でも女の子の行動全てが唐突で、理解ができませんでした。新幹線に乗るところとか完全に意味不明。おじさんの欲望を具現化したらこんな感じになるんでしょうか?レビューで高評価してる人はみんな世間に疲れたおじさん??ならターゲット層ではない女子が読んでしまってすみません。「恋は雨上がりのように」のようなものを求めるとガッカリします。絵はとてもかわいいです。他の方のレビューを読んだら副題に言及されてて、なるほどそもそも恋愛漫画だと思って読んだらいけないものだったんですね……おじさんの破滅を楽しみにすればいいのかな?恋愛漫画の皮をかぶったサイコパスホラー?評価が厳しくなってしまってすいません。私のように間違えて購入してしまう人が出ないことを祈って。
なんか気になったので購入主人公はしがない中間管理職の中年サラリーマン・晃介理想的な自分を演じてきたものの家庭では妻に先立たれ娘・美也は引きこもり、会社では上下から挟まれ苦渋を味わうそんな中、喫茶店で彼の前に現れた一人の少女如月古都美也の友達でもある彼女(幼い頃の面識はあるらしい)との相談をきっかけに晃介の心境にも変化が起こる・・・この表紙の娘・古都がなかなかキてまして母性を具現化したような娘弱りきった晃介には小悪魔でありハニートラップを疑うが如くグサグサと刺さります意思が弱ければバブみ一直線で色々と社会的に抹殺されるでしょうそんな心の葛藤を描いた作品あ、エロは無いですあとリアルでやっちゃ駄目ですよー、何故か故・チョメチョメの人を思い出しました
漫画の良いところとは何だろう。そう聞かれた際の私の答えは「没入感」である。この作品は没入を強制される。常に何が起こるか分からないドキドキ感。心臓の鼓動音が耳朶を打つ。「進みが遅いのが気になる」、「内容は薄い」などと言う人は、何をそんなに急いているのかと問いたい。これは「焦らしプレイ」なのだから、進まないのを楽しめば良いのだ。